まとめ
オートファジー*という細胞の再生機能が発動するには16時間の空腹時間を要するという。16時間経過すると細胞が若返り始めるのか…
分析
オートファジーは少食では発動しないのか?(仮説)発動する。
体(タンパク質)に必要な材料が一定時間外部(消化器系)から供給されなくなったとき、オートファジーが働き出す。それは、細胞自身に備わっているタンパク質をリサイクル工場に相当するリソソームという小器官まで輸送し、そこで分解した材料(アミノ酸)で再構築する。再構築されたタンパク質は細胞内で100%リサイクルされる[細胞博士 ‖ 大阪大吉本保教授]
・細胞分裂できない細胞(脳や心臓などの細胞)の機能をこれで繰り返し機能させ得る。これだと永遠に生きられそうにも思えるが、それはまだわかっていない。
https://youtu.be/MwuN8tenhio?si=l-yOzdFJkzUuaLKE [2年前の解説動画]
[図1 オートファジーの研究履歴]
[図2 老化の仕組み解説(1/2)]
[図3 老化の仕組み解説2/2]
* 老化の定義⇔病気のなりやすさ
* カロリー制限が若さを保つ理由の一つがオートファジーが働くからということがわかっている。
* オートファジーの機能を高める食品
薬を開発して世に出すには莫大な資金と時間がかかる。それまで待つのはもったいない。安全性がわかっている自然の食品成分でサプリメントという形で補うことでも、この研究成果を利用できる</吉森博士> ‖ これにたいしては、別の見方もある。並行して参考にしている「40歳過ぎてからの予防医学」の中ではサプリメントは当てにならない、という記述がある。この見解を当てはめて考えてみると、「オートファジーの機能を高める食品」という見出しに少し矛盾を感じてくる。なぜかを以下に示す。
👁️🗨️ 食物は消化酵素によってアミノ酸に分解され、腸から吸収され血液で各細胞に運ばれる。細胞では細胞核にある遺伝子情報からアミノ酸を組み立てタンパク質を合成して体を作り上げている。アミノ酸に分解されてしまえば、材料に区別はないのだから食べ物とは縁がなくなっている。したがって、このテーマを次のように別の表現をとるとより正確で理解しやすい。「オートファジーの機能を高める栄養分を含む食品」と。
オートファジーを活性化させる食品例
レスベラトロール、アスタキサンチン、カテキン、ウロリチン、納豆などの発酵食品の中にオートファジーの機能を高めるこれらの物質が入っている、ということがわかった。
朝の食事を抜いた方が良いのか
さて、これまでの数年にわたって抱いてきた謎がある。朝食抜きの方が、朝食を摂った日より体調が良い、という実体験である。これは世間一般の常識とは異なるために、何度も試した。結論的にはお腹は空かせる方が体調が良く、心身に力がみなぎるということがまた間違いなさそうだ、という結果である。
それでも、まだ朝食抜きが健康上良いという事実にエビデンスがある、という確信までは持てない。それは一つにはかかりつけの医師の指示に抗うことになるからでもある。
🔺懸案🔺
巷のニュース
また、ニュースなどによると、朝食抜きの小学生は朝食を摂って登校した生徒より成績が低い、などという情報もあった。今でも、そのような情報の方が多い。学校では、朝食を摂るようにと、指導している。厚労省のHPを確認すると、2020年までに、朝食欠食率を15%以下にするように目標を定めるという記述もある。この圧力は弱くない。
* オートファジーの発見
2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した東京工業大学の大隅良典博士が発見した。オートファジーとは生命維持に必要なタンパク質の材料であるアミノ酸の生成のために、細胞自身のタンパク質を分解し、そのアミノ酸を再合成して新しいタンパク質を作る機能だそうだ。「細胞内リサイクルシステム」とも呼ばれる。 ‖ 生命は1箇所にとどまらず常に流れている。動的平衡という[福岡伸一氏]
今後の注目ポイント
私は、この言葉を知らなかった。大隈博士の発見したオートファジーの仕組みは、今、世界的に最も研究論文に引用されているそうである。その論文の上位4人が日本人だということから、この分野は日本が世界をリードしているという。
この他にも、札幌医大出身の医学博士など再生医療方面も飛躍的に発展しそうな気配が感じられる。
わからないことも多いので、今後も自分の健康と共に注目して情報収集してゆきたい。