題名の無い物語
人生とは予測できないから面白い
物語りの幕開け
いきなり物語が始まることになった。それはいつどうなるか、書き始めた自分にもわからない。なんの構想もない、思いつきで湧いてきた想像の世界なのだ。したがって、題名もきまっていない。先のことはなにもきまっていないストーリである。
しかし、考えてみた。
そもそも我々が生まれた時を思い返してみる。大抵の人は…おそらく、なんの予告を受けることもなく、無意識の世界からこの世に生まれてきたはずだ。無意識に生まれてきた。これは自力なのか他力なのか、運命なのかは実はわからないが、生まれてきて今、生きているという事実のみが正解だ。
だから、物語がなんの構想もなく始まってもおかしくはないのではないか。いや、むしろそれが普通のことだろう。構想してストーリーを終わりまで決めてからでは、いかにも作り物だ。それが今までの小説の常識かもしれない。が、常識は常に疑ってみるものだ。本来、先のことは予測できないのが人生であり、それこそが生きた物語なのだ・・・
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一 ことのはじまり
つい先日、田舎の従兄弟から電話がかかってきた。私より3歳年下だが、年恰好が私より老けて見えると周囲の人が言う。が、本人は周りから若いと言われる、と。誠にもって自分のことはわからないものだ。が、その彼から久しぶりの電話がかかってきたわけだ。それが、想像もできなかったトラブルの始まりであった(つづく)