日記241023(水)曇時々小雨

読書録 「死刑囚の記録 加賀乙彦著」

昭和55年 初版、昭和58年 9版 中央公論社

‖ 3章 独房の現実と夢(2/2)

重罪を犯した罪人との面談記録が続く。精神科医は何かと理解を深め、無期懲役になるように苦心する。しかし、罪人は不貞腐れて上告しないと駄々をこねることもあり、そのやり取りは常人と大差ないように見える。個々の特徴はさまざまであるが、少なくとも知能は低くない。むしろ、一面において優れている印象さえ受ける。ただし、激しやすい性格や、執拗に被害妄想に陥りやすいなどの特徴も見られる。全体としてはややまとまりに欠ける部分がある。

▶︎明日は第4章 刹那主義の人びと

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