AI時代の人間の居場所――知識の時代が終わったあとに残るもの

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AI時代の生き方を考える

ここ2年ほど、私はChatGPTを「秘書がわり」のように使えそうだと試してきだが、その間の進化は凄まじく、あっという間にそのニーズを満たすようになってきた。今や、知能レベルでは人間の比ではないところに達しているようにさえ思う。

世の中には「頭の良い人」がたくさんいるが、もはや彼らでさえAIには太刀打ちできない時代が、すぐそこにきているかもしれない。
実際、東大理学部第三類(理三)の入試問題をAIが高得点で解いていたという話も聞く。理三といえば、日本でも最難関とされる東京大学医学部進学者が集う学科である。

もちろん、学力がすべてではない。人間には知識以外に未開発の巨大な潜在能力があるはずだ。


では、「AIに知識では勝てない時代」に、我々人間はどう生きていけばよいのだろうか。

AIは、莫大な電力を用いて瞬時に答えを導き、あらゆる知識を高速で吸収し、さらには“考察”までするようになっているようだ。
ここまで来ると、単なる「知識」ではなく、「知見」や「判断」すらAIに委ねられる時代に突入しつつある。

こうした中で、特に若い世代はこのAIの急成長期に直面している。人生の選び方そのものが、これまでとは大きく変わる可能性がある。なぜなら、社会そのものがAIの進化に追いついておらず、私たちの価値観や制度も、その変化に対応できていない。

社会に出れば、AIは日常的に使われる道具である。その存在を教育現場から排除してしまえば、将来何の役にも立たない“化石教育”になるだけだ。

その点、100年の計とも言われる未来を背負う教育界ではどのように検討されているのだろうと、文科省のAI時代の取り組みについて調べてみたので、備考欄に掲載した。

結び

このような時代、私たちは「AIにできないこと」に目を向ける必要があることは、いうまでもない。思いやり、感性、偶然から生まれる創造性、そして“人間であること”そのもの、知識ではなく、創造性の中で生きる——そういう視点が、これからますます重要になってくるのではないだろうか。

我が国の文科省によるAI時代の取組姿勢

文科省のAI時代の取組姿勢は?

文部科学省は、生成AIの教育現場での適切な活用を推進するため、2024年12月に「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」を公表しました。このガイドラインは、2023年7月に発表された暫定版を基に、技術の進展や現場の意見を反映して改訂されたものです。

主なポイント

  1. 人間中心のAI活用

ガイドラインは、「人間中心のAI社会原則」に基づき、生成AIを教育の補助ツールとして位置づけています。AIの出力はあくまで参考の一つであり、最終的な判断や責任は人間が担うべきであると強調されています。

  1. 児童生徒の学びへの活用

生成AIは、児童生徒の思考力や判断力、表現力を育成するためのツールとして活用が期待されています。例えば、英会話の練習相手としての利用や、文章の推敲支援などが挙げられます。ただし、AIの出力を鵜呑みにせず、批判的に検討する力を養うことが重要とされています。

  1. 教職員の校務支援

教職員は、授業準備や校務の効率化のために生成AIを活用することが推奨されています。具体的には、教材やテスト問題のたたき台作成、校務文書の作成支援などが含まれます。

  1. リスクへの対応

生成AIの活用に伴うリスクとして、誤情報の生成(ハルシネーション)、バイアスの再生産、個人情報の漏洩などが指摘されています。これらのリスクに対処するため、情報モラル教育の充実や、生成AIの仕組みや限界についての理解を深めることが求められています。

  1. 教育委員会の役割

教育委員会は、生成AIの適切な活用を支援するため、教職員への研修や、情報セキュリティの確保、保護者への説明責任などを果たすことが求められています。

文部科学省は、今後も技術の進展や教育現場の状況を踏まえ、ガイドラインの見直しや支援策の充実を図っていく方針です。詳細な情報や最新のガイドラインは、文部科学省の公式ウェブサイトで確認できます。

[参考資料]
• 文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」
• 文部科学省「生成AIの利用について」

2025/5/6 7:30