東南アジアに迫る三重苦

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6:00-昨日の大雨が嘘のようなまさに五月晴れの真っ青な空の下、少し肌寒い中を飛び出した。

いつものセブンイレブンイートインで、まずはニュースをウォッチ。

ニュースピックアップ

主要記事のタイトルを上から順に眺めると、上位4タイトルはトランプ氏の政策に関わるものだ。タイトルを並べてみよう。

▶︎ソフトパワー失う米国 ジョセフ・ナイ・ハーバード大学名誉教授 ‖ トランプ氏が壊した信頼

▶︎無風の4月雇用統計は「嵐の前」か FRB、利下げ見送り濃厚に

▶︎ベゾス氏、Amazon株6900億円分を売却 関税逆風下で

▶︎バフェット氏、関税不況・米国売りに何語る 3日株主総会 ‖ 関税は戦争行為

👉 トランプ大統領の政策は、概ね不評を買っている。そもそも、世界の富の大半を握るアメリカのような大国が、自国の利益最大化に邁進すれば、国際協調という趨勢に逆行するのは必然とも言える。

だが本質的な問題は、なぜあえてそのような「逆行」に踏み出すのかという動機にある。その先に何を見据えているのか。誰の視点で、誰に向けて、どのような未来を描こうとしているのか——。問われるべきは、そこなのだ。

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[参考記事]「ソフトパワー」という言葉の生みの親であるハーバード大名誉教授のジョセフ・ナイ氏に聞いた。

トランプ氏が壊した信頼

ナイ氏は1990年代にソフトパワー理論を提唱した。映画や音楽などの文化や価値観、対外援助などには、軍事力などのハードパワーにも劣らない影響力があると説いた。


以下、しばらく東南アジアのニュースに的を絞った課題を報じることとする。250503〜

ニュース解説 東南アジアに迫る三重苦

出所 250503 日経新聞

〜麻薬・環境・経済、それぞれの危機と課題〜

  1. 【安全保障】麻薬の一大供給地化するミャンマー

ミャンマー政府はシャン州で大規模な麻薬取締りを実施し、過去最高量のメタンフェタミン*などを押収。密輸先には日本や韓国も含まれ、域内外への拡散が懸念されている。東南アジア全体の連携強化が急務。

*メタンフェタミン(methamphetamine、別名:ヒロポン、アイス、クリスタルなど)は、中枢神経系を強く刺激する覚醒剤の一種

  1. 【環境問題】廃プラスチック汚染が進む河川と海洋

タイなどでは河川へのごみの堆積が深刻で、海洋流出の原因に。新興国としてのインフラ不足やリサイクル制度の未整備が背景にあり、国際的な環境支援と地域協力が求められる。

  1. 【経済構造】チャイナプラスワンの陰り

低賃金を求めて進出してきた外資系企業が、カンボジアやタイの賃金上昇や政情不安を受けて再移転の兆し。「東南アジアの生産拠点」としての優位性が揺らいでいる。

  1. 【金融不安】資金流出と構造問題の露呈

米国の金融引き締めにより、投資資金が域外へ流出。インドネシアなどでは経常赤字が拡大し、通貨安や金利引き上げといった対策が経済の足を引っ張る懸念が出ている。

総括:問われる地域統合と持続可能性

安全保障・環境・経済の三領域において東南アジアは大きな転機を迎えている。地域内の問題を「域内連携」で解決する枠組みの強化が、今後の安定と成長の鍵となるだろう。