AIの近未来を考察

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生成AIはなぜ今ここまで注目されるのか

画期的なツールは必ずコモディティー化する。「使っている」「持っている」「知っている」だけでは優位性の期間は短く、その先にある可能性こそが価値である。

生成AIの普及率と投資の実態

  • 2024年時点で、78%の組織が何らかのAIを業務に導入済みであり、そのうち71%が生成AIを定常的に利用している  。
  • 2025年前半、生成AI関連へのベンチャー投資は492億ドルに達し、2024年1年分(442億ドル)を既に上回った  。
  • グローバルAI市場はCAGRで35〜37%の年成長率が見込まれており、2030年までにAI市場規模は数百兆円規模へ拡大する見通しである  。

注釈 ‖ CAGRは Compound Annual Growth Rate(年平均成長率) の略で、ある期間における成長を毎年一定の割合で成長したと仮定した場合の平均成長率を示す指標である。

生成AIがもたらす価値 / 自己完結性とエージェント化の進展

生成AIは「万能秘書」のような存在として個人や組織の能力を広げている。さらに、マッキンゼーの報告によれば、「エージェントAI(agentic AI)」という、自律的に複数のステップを計画・実行できるAIが企業や消費者の注目領域になってきている  。この動きは、単なるツールから「仮想同僚」への進化を予感させる。

高齢者に広がる可能性 / 働き方・暮らし方の変容

自己完結性の向上は高齢者にも大きな恩恵となる。情報収集、文章作成、日々の判断や手続きを自ら行えるようになることで、「生き方」を自律的に設計できる好機である。

ピークと幻滅のサイクル / 現在の市場フェーズを見極める

現在、生成AIは明らかに「過度な期待のピーク期」にあり、多くのプロジェクトが期待に届かず途中断念される段階に移行しつつある  。それでも、基盤ソフトウェアへのAI組み込みは進んでおり、2026年には多くのソフトウェアにAI機能が標準搭載される見通しである  。

成果を出すために必要な視点と行動

勝者になるには「道具を持つ」ことではなく、「道具を前提にどう動くか」が鍵である。投資や導入の盛り上がりに浮かれず、生成AIを活かして具体的な成果を連続して出せる姿勢と行動こそが、成熟期に生き残る条件である。

2025/8/11記

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