日記250423(水)曇雨

大企業社員、健康保険料率9.34%で過去最高に　賃上げ効果薄れる

［概要］団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になり、現役世代に拠出金負担がのしかかる
大企業の従業員らが入る健康保険組合の平均保険料率が2025年度に過去最高の9.34%となることが分かった。団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になり、現役世代に拠出金負担がのしかかる。賃上げの効果が薄れ、成長と分配の好循環に向けた消費拡大の重荷になる。

👉健康保険組合の保険料率が過去最高となった背景には75歳以上の団塊の世代が全員後期高齢者になった、という人口構造の変化がある。賃上げによる所得の増加が期待されるなか、社会保険料が先に上昇すれば、可処分所得の回復は鈍化し、消費拡大への波及効果も抑制される。消費税廃止も、現状では激しい抵抗で困難を極める中、社会問題として重くなっている。

この構図は、単なる「支え合い」の美名では片付けられない。現行の賦課方式は、現役世代から高齢世代への一方向的な資金移転であり、高齢者数の増加に比例して現役世代の拠出が増え続ける「重力構造」を内包している。しかもその負担は、給与所得に依存する仕組みであるがゆえに、就業者にのみ偏っている。

もはや必要なのは、世代間の水平的な「支え合い」から、世代内の垂直的な「負担能力に応じた公平な再分配」への転換である。高齢者の中にも負担能力に余裕がある層が存在する以上、年齢ではなく「所得と資産」に応じた保険料・自己負担の見直しが不可欠であろう。制度の持続可能性を確保するには、給付と負担の再設計が避けて通れない時代に入った。