存在は本質に先立つ ― サルトルの実存主義(第1回)

2076 01 02 サルトル[001]

サルトルの実存主義について学んでみたい。

サルトルから学ぼう [001]

存在は本質に先立つ ― サルトルの実存主義(第1回)

フランスの哲学者 ジャン=ポール・サルトル は、実存主義の核心を「存在は本質に先立つ」という言葉で表した。これは、人間は生まれたときにあらかじめ決められた目的や役割を持っているわけではない、という意味である。

人はまずこの世界に「存在」し、その後の選択や行動によって、自らの本質、すなわち「どのような人間であるか」を形作ってゆくのである。

この思想は、人生を定められた運命として受け入れる考え方とは対照的である。むしろ人間は自由であり、その自由ゆえに自らの人生に責任を負う存在であるとサルトルは考えた。

老年の視点からこの言葉を読み返すと、若い頃の選択だけで人生が決まるわけではないことに気づく。人は何歳になっても、自分を作り直すことができる。実存主義とは、人生の終盤においてもなお「これからどう生きるか」を問い続ける哲学なのである。

[要約]

存在は本質に先立つ、という言葉は直観的にわかりにくい。要は、人間は目的を持って生まれ的なわけではない、と捉えることができる。