後悔はなぜ消えないのか ― サルトルの実存主義(第11回)

日記2026/4/16 2088 00

サルトルを学ぼう[011]

後悔はなぜ消えないのか ― サルトルの実存主義(第11回)

前講と重なるが人は誰しも多かれ少なかれ「あの時こうしていれば」と思う後悔を持っている。なぜこうした後悔は消えないのだろうか。サルトルの実存主義から見れば、その理由は明確である。

人間は常に選択をしながら生きている。しかし一つを選んだ瞬間に、他の可能性はすべて失われる。選択とは、無数の可能性に別れを告げる行為なのである。この構造がある限り、後悔は避けることができない。

さらに人間は想像する存在でもある。「別の道を選んでいたら」という思考が、現実には存在しない未来を生み出し、後悔をより深くする。

しかしサルトルは、後悔にとどまり続けることをよしとしない。過去は変えられないが、今この瞬間の選択は常に残されているからである。

老年の視点から見れば、後悔は消すべきものではない。それは自分が真剣に選び続けてきた命の証しでもある。

実存主義とは、後悔を否定するのではなく、その意味を引き受けながら、なお選び続ける人間の姿を見つめる哲学なのである。

2026/4/16 7:30 SevenEleven Shopにて記す

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